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『リース契約の罠』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1452

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■━━━━━━[vol.1452]2017/12/08━■

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01 ┃本日のコラム『 リース契約の罠 』
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  ┃藤田幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
金曜のテーマとして学術的な話題が継続して
きましたが、今日はぐっと現実的なテーマです。

日本で起業が一般的でないことには理由が
あります。
きれいごとが語られますが、合法的に
隠された罠もあります。
感覚的に感じている人は回避します。

今日は7年経過して表面化した、リスクです。
知っていれば回避も可能です。

起業後すぐ外部との契約が発生するのが、
事務機器、什器等のリース契約です。
5年契約とか7年契約で、コピー機など
ビジネスの必需品を利用します。この
リース契約の「合法的な」罠についてです。

1月ほど前、リース会社からの「請求書」
が個人の旧住所から転送の形で届きました。
11月8日までに30万円を支払えとあります。
リース会社の名前と回収事務代行会社の
名前があります。利用者となる会社名も
ありません。

新種の請求詐欺かなとも思いながら、
連絡してみると契約者番号を読めと言われます。
確かに記述があります。
7年前に知人からの要請で、事業再建を
進めた和菓子の販売会社です。

7年前ちょうど時期的には今頃ですが、
仕入れ先との関係が悪化し、身動きが取れなく
なったということで相談でした。

当時、基本となる和菓子販売は順調で、
特に年末年始はピーク売り上げが予想され、
合格祈願初詣を見込んだ商品販売は、
特定神社で1日売上が100万円を超える実績が
あるということでした。
この商機を内部トラブルで逃したくない。

販売場所がポイントで、大手交通会社との
継続的な契約があり、これも新規締結は実質的
に無理という状態でした。
実業に必要な社員全員、契約、債権債務を
新会社に移管し、問題となった取引先との
契約は旧会社に残す、新設分割方式で、
対処しました。

この方式の場合、旧代表は旧会社に残るので、
新設会社には新しい代表が必要です。
緊急避難ですから私が就任しました。
このときに、新設会社でリース契約を
締結しました。
確かに個人が保証人となっています。
リスクも自覚しています。

その年の年末年始商戦は、急遽切替えた
仕入先の商品も品質が良く、ほぼ想定通り
に推移し、無事別途新設した会社に事業を
移管しました。

リース対象のコピー機を含み、全ての資産
を移管し、事務所の賃貸契約など契約も
変更しました。

ここに罠がありました。
リース契約は、新会社とリース会社間で
移管契約を締結し、私が確認する機会が
ありませんでした。

先日判明したのは、新会社が結んだのは
「重畳的債務保証契約」つまり、原契約を
破棄したり、切り替えたわけでなく
そのまま生かして、さらに債務保証者を
追加するという契約でした。

追加の債務者=実事業者が支払えなく
なったので、7年前の契約保証人に支払え
と請求が来たわけです。
法律上相手=リース会社に正当性が
認められる可能性が高いそうです。

この事実関係を把握できるまでに
3週間かかりました。
いきなり請求書を送り付けてきましたが、
その根拠を求めてもすぐに対応がない。

終了案件のはずでしたが、いきなり
アクティブ案件です。
ただ実業はすでに実態がなく、当時の
約束履行は不可能です。
7年間連絡もなかったことなどの状況説明で、
減額和解を試みましたが、
それもリース会社に拒否されました。

リース契約とはそういう契約だ。
契約に従って支払え。という主張です。

契約切替に際して、債務保証が継続して
いる事実の通知、連絡義務が法律で
規定されていない=合法的という主張です。
そして合法である以上、正しい。
明らかにおかしいのですが、この場合
法律は敵の味方です。

もぅ少し経過を調べると、違った事実が
出てきました。
このリース契約は代表が私を含めて
3名交代しています。
私から継承した代表は、次の継承に
あたって、リース会社と交渉機会があり、
債務から外れていることが判明です。

リース契約はすべてが保証継続では
ないわけです。
強く要求された場合は、解除するが基本は
知らさないでそのまま継続させる。

こうした問題の解決は選択肢が限られます。
1.黙って相手が強制執行するまで何もしない。
2.長期の分割支払いに合意する。=債務を認める
3.減額交渉し、一時払いで解決
4.債務不存在を主張して提訴する。
5.その他

減額交渉が拒否されたので、さらに
選択肢は少ない。
面倒なのですがやはり提訴で決着を
つけないと致し方ないか。
と考えています。

教訓:立派なビルに入ってる金融には注意。
合法的な罠が張り巡らされているかもしれない。

本件の進捗は別途本メルマガにてお知らせします。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、
 起業塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)66歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 京都からイノベーションを目指します。2017/5/1
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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