『300円ライターのインパクト』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1165
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■━━━━━━[vol.1165] 2016/12/16━━■
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01 ┃ 本日のコラム －『 300円ライターのインパクト 』
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┃ ／ 藤田 幹夫（PDBマーケティング株式会社）
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜は、30万社HPコンテンツビジネスの市場開拓活動を、
準リアルタイムでお伝えしています。
今日は、コンテンツビジネスにとって非常に大きな「事件」の話題です。
12月7日DeNAが、キュレーションサイト閉鎖について記者会見を行いま
した。
運営する医療情報サイトWELQで提供する情報の正しさ、真実性、著作権
に対する疑問の噴出がトリガーでした。
キュレーション＝情報のまとめ、は大きな市場になっています。
DeNAにとどまらず、リクルート、KDDI、NTTなどたくさんのサイトが前後
してコンテンツ削除、サイト閉鎖に走りました。
この結果、Googleで検索して上位表示のサイトにアクセスしようとして、
存在しない結果が増えています。
インターネットビジネスの一つの転換になりそうです。
一連の動きによって、コンテンツとメディアが確実に変化します。
以下、私の経験から私的なコメントです。
7年前、私のPDBマーケティングは、インターネットによるプレスリリー
ス配信サービスの営業会社でした。
広告と広報=ニュースリリースの違いを告知し、大企業だけでなく中小ベ
ンチャーも、積極的なリリースを推奨することで市場を作ってきました。
このときの、ニュースリリースの効果訴求ポイントがgoogleなど検索エ
ンジンの上位表示でした。
1万円ほどの配信費用で、3000以上のニュースサイトに掲載されます。
それぞれのニュースサイトから、自社HPへのリンクが張られますから、
「外部から多数参照されているサイト」と認識され、ランクアップです。
検索エンジンはどんどん「ほんとに適切なサイト」を求めるアルゴリズム
の開発を継続しています。「独自性」「更新頻度」「ボリューム」「キーワー
ドとの関連性」と評価基準を複雑化します。
しかし、アルゴリズムである以上、外部からの推定は可能ですから、情報
の最適性ではなく、検索エンジンへの適合性を追求することも可能です。
SEO=サーチエンジンへの最適化として、大きな市場が形成されています。
コンテンツの中身を充実させるのではなく、検索エンジンに適したコンテ
ンツの追求です。
検索側が単純な時は、無意味なリンク、キーワードの羅列もありましたが、
直ぐ淘汰されました。
デジタルの一番の特徴、コピーによる量の増加には「独自性」のフィルタ
ーがかかります。
「300円ライター」の存在は、こうした背景で6年前に初めて聞きました。
リリースの原稿作成代行は、当時からサービスメニューとして存在し、安
心して依頼できるライターと分野別に数名契約していました。
専門家としての存在ですから、依頼単価は最低3万円程度でした。
300円でニュース書きます、書かせます？？1/100ですね。
ライターですから自動ではありません。
驚きと戸惑いでした。
実作業方法を聞いてさらに？？
朝日デジタル、ヤフーニュース、週刊XXといったニュースサイトから記
事を転載、最後の表現をアレンジします。
「…だそうです」「と伝えています」独自コンテンツの意味は伝聞記事とい
うことです。
300円ですから、時給で1000円稼ぐには１時間に4本書く。
検索エンジンにとっては、3万円の記事と300円の記事が同じかも、いや
類似キーワードの出現頻度などで、300円記事の優位もあるようです。
こうして、インターネット上には根拠がない伝聞、引用が氾濫です。
登録数を競う、引用特化キュレーションサイトも1000万人登録で登場。
大手広告会社、メディアが競って出資。
いいコンテンツとは、たくさんの人が参照するニュースと明言しています。
メディアとしての真実性、正確性、一方的な主張に対する公平性には全く
無関心、閲覧の増加と広告クリックの効率だけに関心がある。
DeNAの医療サイトインパクトは大きい。
実質、メディアとして影響力を行使して広告を集め、一方では単なる情報
掲示板の提供者として、コンテンツ内容への責任を回避する都合のいい説
明が通らなくなった。
もっとも、元からDeNAの事業ではなく収益源として怪しさを感じながら
のサイト買収結果と公表されています。
既存メディアも、やっときっかけを得て反撃です。
価格破壊の影響は驚異的です。
300円では良質なコンテンツ制作者が存在しえない。
現在のキュレーション市場は、広告収入の追求者、300円ライターのあっ
せん事業者＝クラウドソーシング、末端ライターで構成され、ライターの
低賃金役務を使いこなして、斡旋業者とサイト運営者が暴利を得る仕組み
です。
一度壊した市場は再生ができない。
でも、ビジネスコンテンツ市場開拓はあきらめない。
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▼プロフィール：インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾長
・氏名：藤田 幹夫（ふじた・みきお）65歳
・出身：香川県丸亀市
・出身高校／大学：香川県立丸亀高校／京都大学理学部
・役職：PDBマーケティング 代表取締役
知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴：1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
1987年 兼（財）データベース白書編集委員2008年廃刊まで
2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任（現在に至る）
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