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『有機農業栽培から自然農法へ』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1432

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■━━━━━━[vol.1432]2017/11/14━■

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01 ┃本日のコラム -
  ┃『 有機農業栽培から自然農法へ 』
━━┃…………………………………………
  ┃     / 重村達郎(弁護士)
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 今、自宅から車で15分ほどの所にある
京都・大原で、2,30平米ほどの畑を借りて、
週末農業にいそしんでいます。
所詮素人が趣味で休みの傍らに行うもの
ですから、楽しく、好きな作物を多品種
少量生産で、かつ出来るだけ体の負担に
ならないようにというポリシーです。

 そのため、2年前の春に地元営農組合
による新規事業としての菜園貸出し募集に
応じた当初こそ、数十年耕作放棄地だった
元田の地力を回復すべく、蛎殻や有機栽培土
を投入していましたが、今は、自然農法に
移行しつつあります。

 即ち、テレビの園芸教室で推奨している
ような黒のビニールマルチで地面を覆ったり、
化学・有機肥料をたっぷり施すことなどは
しません。基本的に外から余分なものは
持ち込まず、また、収穫した野菜のくずや
枝葉・茎、刈った雑草などは畝や畝間に
おいて持ち出さず、草マルチとして自然に
帰し、活用します。

 そして、畝立て・再編が終了したら、
以後、基本的に土を耕さず(不耕起栽培)、
麦や豆類をできるだけ植えて、根が地中深く
張るようにすると共に、根粒菌により
土壌を肥やし、自然の力で農地を再生する
ように促します。

 このような自然農法で栽培することで、
土壌を改良し、微生物や昆虫などの活動を
活発化させるとともに、草マルチにより
暑さを防ぎ、真夏の水やりも少なくて
すみます。今は、たまに蟹の殻や栗や
クルミの皮を入れるくらいで、
農協直営店で買う籾殻、籾殻燻炭と
精米時に出る米ぬかくらいしか投入
しませんから、費用も手間も相対的に
かかりません。

 ここでは、農業とは大地を耕すもの、
手間暇かけて育てるものという既存の
発想からの転換と無為の実践が必要です。
そんなやり方でうまくいくのか、
モノになるのか、プロとしては採用
できないと言われるかもしれません。

 しかし、自然農法は、とりわけ
家庭菜園や小規模零細農業では相当に
現実性のある方法であり、有機農法
以上に自然の持つ回復力、及び生物を
利用する有効かつエコな取り組みです。

これに自家採種の種を使うように
なれば、サイクルとしては一応完成です。

 また、現にアジア・アフリカなど
の発展途上国では、自然農法の父とも
いうべき福岡正信氏が提唱した、
ジャングルに団子に包んだ種を放り
投げる方法で、多くの収量が上がっていて、
食糧難解決の一助になっています。

 しかし、自然農法を突き詰めると、
農機具・種苗・肥料メーカーも、種屋
さんも、有機肥料販売者もほとんど
儲かりません。それどころか、畑は一見、
草ボウボウの荒れ地のような様相を
呈するので、周囲の理解がないと、
ほったらかしとの顰蹙を買うことになります。

 このような事は、他の分野でも多かれ
少なかれ、見られるように思います。
世の中の主流派やより進歩的な考え方より
更に「過激な」考え方、実践は、
往々にしてアウトサイダー扱いで、多くの
人の賛同を得るまでには長い苦難の
道のりが必要になることもしばしばです。

 ビジネスでも大事なことは、
今ここにある未来への窓口と発想の転換
の必要性をいかに説得的に訴え、かつ、
部分的にではあれ、実現可能性と有益性を
リアルに提示・体現出来るか否か、です。

たかだか趣味の農作業に、本来、
過剰な意味づけなど不要なのですが、
折角、体力と時間を費やすのなら、
好きなように、かつ、世の中の最先端の
やり方を試してみたいという思いで、
これがマンネリ化を防ぐ最良の策です。

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▼プロフィール:
・氏名:重村達郎(しげむらたつろう)
・ひまわり総合法律事務所 弁護士(大阪弁護士会)
  t-shigemura@himawarilaw.com
 事務所HP・個人HP 各名前で検索してください
京都大学法学部・経済学部卒
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