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『APIエコノミーの現実』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1174

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■━━━━━━[vol.1174] 2016/12/29━━■

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01 ┃ 本日のコラム -『 APIエコノミーの現実 』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
この「インスクエア ビジネスニュース」も本日12月29日、2016
年版が終了し、2017年版を1月4日より開始します。

毎週金曜は、30万社HPコンテンツビジネスの市場開拓活動を、
準リアルタイムでお伝えしてきました。
今日はその区切りとして、活動の軸にしてきたAPIエコノミーの厳しい現
状についてのコメントです。

2016年1月「260兆円市場が静かに広がりを見せるAPIエコノミー」とい
うITレポートに代表されるように、キーワードとして登場、IBMがクラウ
ドサービスの市場開拓に際して、キャンペーンを開始しました。
膨大に存在する(はず)の企業内データを、APIで公開することで、新規
事業が創出できる。

IBMは、システムを自社運用している大手顧客をたくさん持っています。
クラウド化への対応を誤ると一気に顧客が流出します。
変化が激しい業界の常です。
昨日の資産が今日、明日の足かせとなる。

IBMは、コンピュータが登場してからずっと、世界最大のベンダーであり
続けてきました。その過程では、当然大きな変化がありました。
私が知っているのは360という汎用機からです。1970年ごろです。
日本の国策としての互換機との競合、DECを中心としたミニコン、PCの普
及、ハードからソフトへの市場転換、パッケージソフトの台頭。

このすべてを乗り越えてというより、それを契機としてより大きく市場を
拡大してきています。互換機については、知的資産侵害として犯罪に認定
させ、日米の政治バランスを利用して技術者の逮捕にまで至りました。

PCは、自社開発へこだわらずマイクロソフトと提携、IBMPCを開発、日本
に対しては日本独自仕様5550を提供。ソフトへのシフトに対しては、半
数の社員を入れ替えるというダイナミックな対応だと聞いています。

今の変化はクラウドです。
アマゾンのクラウドサービスは、コンピュータセンタのコストを、既存事
業である、書籍販売の運用費や広告宣伝費として吸収できる構造で開始し
ています。

IBMがメーカとして出荷原価で対応しても、コスト吸収力では敗北が明ら
かです。消耗戦としての価格競争ができない。
放置すると、既存顧客が一斉に流出のリスクです。

IBM自身がクラウドサービスを提供する。
アマゾンよりも安くではなく、アマゾンにはできない機能、既存顧客を離
さない仕組みを組み込んで。さすがです。
アマゾン同等サービスのSoftLayerを買収し、開発支援、AIなど独自技
術付加のBluemixです。

大手顧客が自社運用しているシステムを、外部に出されては困るので、ハ
イブリッドつまり、自社運用とパブリックな環境を連携させるという提案
です。
その要がAPI。
タイミングとして、配車サービスUBERが世界でサービスを拡大しており、
APIエコノミー事例としての告知でした。

システムの設計・開発・運用における変化の定着は、技術の革新性、費用
対効果ではありません。「誰が」「どうコミットし」「実践するか」に依存し
ます。
誰が=IBMは最強です。問題はコミットと実践です。

これは担当する人に依存します。
経営者、責任者、管理者、担当それぞれの立場により理解内容、活動範囲
が異なりますが、APIエコノミーに向けた活動の累積が、結果につながり
ます。
APIの提供者が増加し、使ってみようという技術者が登場、試作アプリが
登場して、その効果を経営者が認識して推奨というサイクルの確立です。

残念ですが、現状は異なっています。
アメリカ本社からのセールスは勢いはいいのですが、依然としてUber事
例です。
日本では、フィンテックと称するSBI信託銀行の、個人口座参照サービス
が事例です。寺田倉庫の、特定個人の活動はありますが、エコノミー=経
済圏創出への道を歩んでいません。

「260兆円市場」創出活動に、会社情報をAPIで先行提供し、まず、500
万円/月の売り上げを獲得する、という戦略でしたが、転換が必要となっ
ています。

大手ベンダーは規模追求ですから、今の受注に追われます。都銀、生保の
システム更新が予定され、数千名単位のプロジェクトが進行中のようです。
顧客先に常駐するだけで、収益が出る誘惑は大きい。
APIエコノミーは埋没です。

マイクロソフトは、コンテンツサービス中止を発表しました。
変わり身が早い。
D&BなどのAPIサービスを並べて、本気度を示していましたが、利用者が
いない?
「いいコンテンツとはたくさんの人が閲覧するもの」=サイトに広告収入
が入るもの、という経済原理が支配する。

APIベンダーの私としては、2016年テーマとしてきた、IBM,マイクロソフ
トのアプローチではなく、現実のソリューション提供、サービス、ソフト
開発業者への個別アプローチに方針転換です。

今年も年末年始その準備に注力します。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)65歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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